2015年09月23日

戦後70年の夏に読んだ本から

暑かった夏の最中に読んだ。
父と暮せば」(井上ひさし著)



映画は以前に観ている。主演の原田芳雄と宮沢りえは、どちらも好演・・・熱演だった。
戯曲である本書を読んで、映画の場面が蘇り、ユーモラスであり心に染み入る広島弁が耳元で聞こえてくるようだった。

ヒロシマの原爆によって亡くなった父と、生き残った娘。
娘の将来を心配する親心と、自分が幸せになることを封じている娘の複雑な想いに何度も涙した。

井上ひさしが前口上で、「あの地獄を知っていながら、『知らないふり』することは、なににもまして罪深いことだと考えるから書くのである。おそらく私の一生は、ヒロシマとナガサキとを書き終えたときに終わるだろう」と書いている。
『知らないふり』をしないで、もっと「ヒロシマとナガサキ」の話をしてきていたら、原発の問題はもっと違っていたのではないか?同様に「フクシマ」を『知らないふり』してはいけないと強く思った。

夏の終わりに、安保法案が話題になっている中、読んだのはこれ。
沖縄の米軍基地 ─「県外移設」を考える (集英社新書  高橋 哲哉:著)



後半はちょっと難しくなったが、前半はすっきりしていた。
安保の法案の盛り上がりと共に、安保の是非が問い直されるとしても、現状は安保体制の中にいるのだから、基地は沖縄県外移転をして、日本全体で負担をするべきだというもの。

戦後70年というのは、沖縄には当てはまらない。
日本全国の0.6%の土地(沖縄の面積)に在日米軍専用施設の約74%が集中する異常な状態が解消される見通しがまったくたたない状況が続いている。沖縄は戦後ゼロ年のままだということに、恥ずかしながら思い至っていなかった。

米軍基地の移転を県外移転をするには難しいだろうな~と思って、沈黙してしまう。
それは、筆者によると「権力的沈黙」なのだそうだ。

知念ウシは「シランフーナー(知らんふり)の暴力」と呼んでいる。

日本人:「沖縄だーい好き!」
沖縄人:「そんなに沖縄が好きだったら基地ぐらいもって帰られるだろう。」
日本人:「・・・・・(権力的沈黙)」









・「64」横山秀夫

・「朝が来る」辻村深月

・「琥珀のまたたき」小川洋子

・僕らはいつまで「ダメ出し社会」を続けるのか 絶望から抜け出す「ポジ出し」の思想 (幻冬舎新書)荻上チキ

・「長いお別れ」中島京子


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