2012年12月23日

パロル舎の本『猫町』

パロル舎の本『猫町』
作:萩原 朔太郎

画:金井田恵津子

発行:パロル舎

凝った作りの本だと思って手に取ってみると、パロル舎から出た本だった。

以前ブログで紹介した「小林敏也さんの画本 宮澤賢治」と同じパロル舎。

散文詩のような不思議な話。ちょっと引用すると・・・
「その瞬間、磁石の針がくるりと廻って・・・すっかり逆に変わってしまった。・・・現象する町の情緒が、全く別の物になってしまった。・・・つまり前に見た不思議の町は、磁石を反対に裏返した、宇宙の逆空間に実在したのであった」

道に迷ったときに味わ合う非日常。
方向音痴で、よく道に迷ってしまう私にとっては、同感できる箇所がいくつもあった。

歩きなれた道のはずなのに、一本外れて歩いていたら方向を見失い、風がザワザワッーと吹いてきて、鳥肌が立つようなこと。

乗りなれた路線で、乗り過ごしたことに気づいて慌てて降りた駅が、何だか知らない町の駅のような気がして、戸惑ってしまうこと。

落ち着いて、見覚えのある建物や風景を見つけると、またいつもの時間が戻ってくる。

さすがは詩人の「萩原朔太郎」は、不思議な作品に仕上げている。そこに「金井田恵津子」さんの挿絵が加わって、魅力が増している。







  • 同じカテゴリー(私の本棚)の記事画像
    里山資本主義
    「青春18きっぷ」ポスター紀行
    戦後70年の夏に読んだ本から
    「辞書になった男」
    漂流郵便局
    冬に
    同じカテゴリー(私の本棚)の記事
     里山資本主義 (2016-02-12 15:04)
     「青春18きっぷ」ポスター紀行 (2015-12-07 21:40)
     戦後70年の夏に読んだ本から (2015-09-23 12:15)
     「辞書になった男」 (2015-06-04 22:03)
     漂流郵便局 (2015-04-24 23:36)
     冬に (2015-02-04 21:02)

    Posted by タマヤー at 10:31│Comments(0)私の本棚
    上の画像に書かれている文字を入力して下さい
     
    <ご注意>
    書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

    削除
    パロル舎の本『猫町』
      コメント(0)